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かなり復旧が進んだ仙台空港周辺から、
車でわずか10分あまりのそのエリアは、
道路と建物の基礎以外、ほぼ何も無かった。
荒涼としたその風景に、
あの日に起きた災害の凄まじさと、
被災された方々の恐怖を垣間見た気がした。
「さぞお辛かったでしょうね」
ありきたりの言葉しか口にできないボクに、
案内をして下さった現地ボランティアの男性は言った。
「でもね、ボクらはもう前を向くしか無いんです」
何もできない自分が歯がゆい。
そう言うと、彼は笑った。
「大丈夫です。
みなさんがあの日のことを忘れずにいて下されば、
被災地のみんなは立ち上がれますから」
その言葉にただうなずくしか無かった。