メーカー主催の全国会議で表彰された。
昨年度の取引総額が過去最高で、
例年の2倍以上を記録したからだ。
とてもうれしいし。
でも、官庁絡みの大型案件があってのことだし、
なによりも、もう終わったことだしね。
「何カッコつけてんだ。素直に喜べ」
表彰式後の懇親会で、
ISMさんがビールを注ぎながら言う。
「ホントはオレだって去年・・・」
そう。
本来であれば、ISMさんは昨年、
この全国会議で表彰されるはずだった。
だが、コロナで会議が中止となってしまった。
「だから、すすきのでお祝いしたじゃないですか」
「えぇぇっ? そうだっけ? 憶えてなーい」
いつものようにバカ話をしていたら、
スマホに表彰式の写真が届いた。
ISMさんが撮って下さったものだ。
「あぁ。ありがとうございます」
「おめでとう。
自分のことのようにうれしいよ」
そう言って乾杯すると、ご自身の席へ戻られた。
あなたの背中を追いかけて来ただけなんですけど。
で、まだ一度も追い越せてないんですけど。
だから、あなたに評価されたことが、
何よりもうれしいです。
ありがとうございます。
これからも、よろしくお願いいたします。