「これ使いな」
SWツーリングで小樽のオスパに泊まった時のこと。
2階の広間では寝付けず、
1階のフロント近くのソファでゴロゴロしていると、
年配の受付男性スタッフが枕を差し出して言った。
「連休初日だからやたら混んでて。
このソファは硬いから、
これで少しは楽になるかも」
24時を回った頃、雨脚がかなり強くなったので、
シートバッグの防水カバーを確認しに外に出た。
その時にその男性スタッフと少し話した。
「早朝のフェリーで友だちが来るので、
迎えに行っても良いですか?」
「ホントは敷地からは出られない決まりだけど、
オレに声を掛けてくれれば良いよ」
一見ぶっきらぼうな感じの方だが、
話してみると親切で。
「せっかく本州から来てくれるのに、
この雨じゃ申し訳ないよな」
「秋は良い天気が続くからって、
ボクが誘ったので、ホント申し訳ないです」
そんなやり取りを経ての枕だったので、
とてもありがたく。
結局、激混みのオスパで休むのは難しいと判断し、
フェリー到着に併せてチェックアウトしたが、
その際にも声を掛けてくれた。
「ろくに眠れなかったろ?
これからどこを走るかしらんけど、
ちゃんと休憩を取って、くれぐれも気をつけて」
激混みでの雑魚寝は過酷だったし、
雨でのスタートは不安だったが、
その方の心遣いがホントにうれしかった。
ありがとうございました。
必ずまた寄らせていただきます。