Spiral-World

めくるめく世界での個人的な日記

シフクノトキ

2件目のスナックを出てすぐ、

TORさんが蕎麦を食いたいと言う。

 

「この時間に空いてますか?」

 

TORさんは蕎麦にうるさい。

 

おいしければ良いのではなく、

店の雰囲気やメニュー構成、価格など、

独自の評価基準をお持ちなので、

好みに合う店があるか不安で訊いた。

 

「大丈夫。オレが知っている店へ行こう」

 

それならば安心と3人で暖簾をくぐると、

女将さんが一人で切り盛りされている居酒屋。

いや、店舗の作りとしてはスナックだ。

 

「そう。もともとはスナックで。

 たまに出す蕎麦がうまいって評判になって、

 今や正体不明の店になったの。

 ここなら好きなだけ飲めるしね」

 

「さすが変わり者。

 こういう素敵な店をよく見つけられるなぁ」

 

けなしているのか褒めているのか、

不明な評価をNSMTさんがつぶやく(笑)

 

不思議な雰囲気の店内でも、

ボクらは酒を飲みつつくだらない話をし、

最後の最後に蕎麦をすすった。

 

「今回も楽しかったよ」

 

ホテル前で解散する時、NSMTさんが言った。

 

「また飲もうね」

 

それを聞いたTORさんがうれしそうな顔で言う。

 

「また来年」

 

おいしくて、楽しくて、

別れがたい夜だった。