Spiral-World

めくるめく世界での個人的な日記

さらば、赤土の王者

写真:ロイター Yves Herman

ラファエル・ナダルが現役を引退した。

 

クレーコートの王様」

 

サーフェスの種類を限定するには、

彼が残した戦績はあまりにも多岐にわたる。

 

だが、それでも、世界中のテニスファンは、

敬愛の念を込めて「クレー・キング」と呼ぶ。

 

それもそのはず。

彼の現役生活におけるクレーコートでの勝率は92%。

全仏オープンでの勝率は97%!

 

クレーコートでの最多勝利数と最高勝率の記録保持者であり、

クレーコートで81連勝、50セット連続奪取、

クレーコート大会である全仏オープン

モンテカルロ・マスターズ、マドリード・オープン、

ローマ・マスターズ、バルセロナ・オープンで、

最多優勝と最長連覇など、

まさに神話レベルの記録を残している。

 

生涯のライバルであるフェデラーとは、

幾度となく激闘を演じ、

さらに、マレー、ジョコビッチらともしのぎを削り合い、

男子テニス界を大いに盛り上げた。

 

フォアもバックも常に強打のストローカーであり、

激しく粘り強いプレースタイルだったが、

20年を超える現役生活を通じて、

一度たりともラケットを叩きつけたり、

折ったことのない紳士でもある。

 

引退試合に駆けつけた1万人ものファンに見守られながら、

ナダルはスピーチで言った。

 

「タイトルの数や記録よりも、

 善き人としてみなさんの記憶に残りたい。

 マヨルカの小さな村でボクは、

 叔父がテニスコーチという幸運に恵まれ、

 素晴らしい家族に囲まれ、

 夢を持って一生懸命がんばってきた。

 そんな一人の少年が夢見ていたよりも、

 遥か遠い所までたどり着き、

 今こうして、この場所に立っている。

 そう記憶してもらえたならうれしい」

 

素晴らしいテニスを観させてもらえたことに、

感謝しか無い。

 

おつかれさまでした、ラファ。

ありがとうございました。