
NHKのドラマ「宙わたる教室」の最終話を観た。
定時制高校に赴任した超ハイスペック教師。
そのキーワードだけで、
おおよそのストーリーが想像できる。
ヤンキー。老害ヂヂイ。コミュ障。混血中年女性。
このテの物語に必要不可欠な曲者キャラが、
それぞれに難題を抱えてぶつかり合いながらも、
一人の教師との出会いから目標らしきものを得て、
前を向き始める。
作品によって多少の違いはあれど、
これまでにさんざん使われ、
手垢にまみれた設定ながら、
このドラマはボクを強く惹きつけた。
「科学の前では誰であろうとみんな平等」
有望な研究者と期待されながら、
その世界にはびこる権威主義に呆れ、
定時制高校の教師となった主人公の言葉が、
実に印象深かった。
「この科学部を作ったのは、
僕の実験のためでした。
科学とは無縁の皆さんに
科学に触れるチャンスを与えて、
どんな結果が出るのか観察していました」
浦沢直樹さんが描いた名作「MONSTER」の中にも、
ニュアンスは大きく違えど、
似た言葉が出てくる。
その告白を受けながらも、
科学部の部長としてヤンキー君が研究発表の舞台に立ち、
火星の重力の話しながら会場を見渡すシーンが、
とても素晴らしい。
宇宙の成り立ちに大きな影響を及ぼす重力と、
人と人とが惹きつけられる姿を重ねて描いており、
科学とは単なる数字や公式の羅列ではなく、
人の情熱と心持ちあってこそなのだと気づかされた。
クールで淡々としながらも、
確固たる信念を持つ主人公の教師を、
窪田正孝さんが見事に演じられている。
最終話はしばらく保存して、
何度も観返すと思う。