
「これってどう思う?」
ファミレスでの朝食中、
新聞を読んでいたおふくろが紙面を指さしてボクに訊く。
「神戸の公立中学校の部活動が終了!?
26年8月末までに地域に全面移行」
神戸市教育委員会の方針を要約すると、
・生徒が主体的に選択と決定をし、
自分の時間を過ごす。
・少子化による生徒数の減少により、
存続が難しくなる競技や取り組みの持続。
・顧問となる教員の長時間労働の解消。
で、これは神戸に限ったことではなく、
部活動の地域クラブへの移行は、
国の方針として全国的に進められるという。
地域クラブの運営主体は学校ではなく、
地域のスポーツ団体や民間企業となり、
生徒が学校の枠を超えて、
自分のやりたい部活動やクラブを選択できる、
環境づくりを目指すという。
「ここに書かれていることだけじゃない、
いろんなメリットもデメリットがあるよね」
「例えば?」
「一番のメリットは、
その学校にいる教員のスキルや指導法から、
解放されることかね」
「逆に一番のデメリットは?」
「学校単位の個性とか、
団結力みたいなものの消失じゃないかな」
なるほどね、と言って、
小学校の教員だったおふくろは、
何も言わず何度かうなずいた。
「え? それだけ? 人に質問しておいて」
「あはははは。
私は小学校だったから、クラブ活動。
中学の部活とは、また違うしね」
体育会系か文化系は別にして、
部活動運営に情熱と意欲を持っている教員がいるなら、
そのスキルと想いの行き場が失くなるのは損失、
とも言おうと思ったが、
おこがましくて口にできなかった。
この改革の大きな理由でもある、
顧問となる教員の長時間労働や負担の解消は、
教員志望者減少と教育の質の向上に、
どれだけの効果を発揮するのか?
「私が考える教育の原点とは、
誰もが持っている好奇心や探究心に火を着け、
その火が消えないように支え続けること」
前職でお会いする機会を得た大学教授は、
担当する学問のおもしろさについて訊ねると、
そう答えて下さった。
「それを実感できた時の喜びは、
何物にも代えがたいのです」