
「ひとまずお預かりさせて下さい」
昨日から愛車のメーターにエンジン関連の警告灯が点き、
停車時にアラームが鳴るようになってしまった。
朝イチに電話で状況を伝えると、
ディーラーの担当者が緊張した声で言った。
それもそのはず。
今日が年内最終の営業日なので、
エンジン関連の深刻な故障となれば、
年末年始の休みをはさんで、
かなり長い間クルマを動かせなくなる。
「最悪それでもしょうがないけど、
昨日の状態を見る限り、
センサーの誤作動じゃないかと」
ボクのクルマを受け取った担当者が、
代車の操作説明をしながら言う。
「そうであることを切に願ってます」
用意してくれた代車は燃費が良い上に、
雪道でもキビキビ走ると評判のコンパクトカー。
パソコンのマウス的なシフトノブと、
ちょっとクセのある操作にビビる。
「年末のあいさつ回りの時期に、
ご不便をお掛けして申し訳ありません。
でも、良く走るので、お試し下さい」
事故らないことだけを願って、
あいさつ回りへと走り始めた。