
NHKスペシャル「冤罪の深層」第3弾を観ていて、
とても驚いたことが2つあった。
まず、公安職員の内部告発でこの番組が成立したこと。
そして、番組で流された現場検証の映像に、
周防正行さんのお名前を見つけたことだ。
TVや小説などでかじった程度の知識しかないが、
公安とは警察組織の中でも特に密行性が高いはず。
すでに起訴取り消しとなっている事件だとはいえ、
告発者やその証拠などの事実確認も含め、
かなりセンシティブな作り込みが必要だったことは、
想像に難くない。
また、この事件を検証するための映像に、
映画監督の周防正行さんのお名前が出たことにも、
けっこう驚かされた。
周防さんがご自身の作品で冤罪被害を取り上げ、
その後も冤罪の撲滅活動をされていたのは知っているが、
現場検証の映像まで撮っておられるとは、
思いもしなかった。
「疑わしきは罰せず」
頻繁に使われるこの言葉の語源は、
古代ローマ法にまでさかのぼり、
日本では明治時代に西洋法が導入された際に、
この原則が取り入れられたと言う。
真犯人を取り逃がすだけでなく、
無実の者に罪を負わせる冤罪は遥か昔から、
法治国家の根幹を揺るがす問題であると同時に、
国家による最大の人権侵害の一つでもある。
この番組からHNKの意欲と底力を感じると同時に、
周防さんの「それでもボクはやってない」を、
もう一度観たいと思った。