Spiral-World

めくるめく世界での個人的な日記

マーケットにて

グランビルアイランドのパブリックマーケットを歩いた。

 

ここは19世紀末から20世紀初頭にかけて、

製材所や鉄工業などが立ち並び栄えたエリア。

 

しかし大恐慌や第2次世界大戦を経て衰退。

さらには火事にも見舞われ荒廃したことから、

1970年代に政府が再開発に着手し、

市民や観光客が集まる場所に生まれ変わったという。

www.travelingcircusofurbanism.com

言われてみれば、

工業地帯だった頃の建物が再利用されており、

それがとても良い雰囲気を醸している。

様々な店が軒を連ねるマーケットでは、

たくさんの人が買い物を楽しんでおり。

 

その活気に圧倒されつつ歩いていると、

紅茶を量り売りするお店があったので立ち寄った。

 

レトロな雰囲気の「ティーカンパニー」の店内には、

背の高い棚にびっしりと茶葉の缶が並べられており、

メニューも分厚く。

どれにしたものかと目移りしていると、

男性スタッフが話しかけてくれた。

 

「何かお探しですか?」

 

アールグレイダージリンがほしいです。

 おすすめがあれば」

 

彼はメニューからいくつかピックアップしつつ言った。

 

「日本から?」

 

「うん。北海道って分かるかなぁ」

 

「オォ ホッカイドー ダイスキ。

 ボク キョート ニ スンデ マシタ」

 

「どうして京都に? どのくらい住んでたの?」

 

「オチャ。

 サドウ ノ シュギョウ デ ニネン」

 

互いにカタコトの英語と日本語で話していて、

苦笑い。

 

バンクーバーを楽しんで」

 

彼は別れ際に人懐っこい笑顔で言った。

 

「ありがとう。また日本に来てね」

 

ボクも手を振って言った。