
午前中に札幌へ入って要件を済ませ、
昼ちょい前に一人娘の部屋へ。
オーディオセットを運び込んで設置場所を決め、
配線を終えてチェック。
ん? 右から音が出ない。
スピーカーとCDのケーブルを接続し直す。
でも出ない。
左右を入れ替える。
でも、やはり右から出ない。
となると、ケーブルではない。
え? ちょ、ちょっとまって。
アンプ本体ってこと?
マジかよ。どーしよう。
「もしかして壊れてる?」
娘の表情が曇る。
これは父として、
さらにはオーディオ好きを気取っていた者のピンチ。
すぐにあきらめたりはできない。
左からは音が出ているので、
おそらくは入力か出力部の配線の接触不良。
デジタルアンプなので、
作りはシンプル。の、はず。
もしや、これってチャンスぢゃね?
良いとこ見せられちゃうかも。
ドライバーを借りてアンプの筐体をバラす。
と、案の定、中身はスカスカ。いや、シンプル。
で、スピーカーケーブルを接続する端子のハンダが、
ペロンと外れていた。
アプリでハンダごてとハンダの在庫を確認。
どちらもあるので、散歩がてら買い物へ。
「あれって直せるの?」
少し不安げな表情で娘が訊く。
「たぶん直せる。
つーか、ラックから外すまで鳴ってたし、
右チャンネルからの音はしっかり出てるから、
そんなにひどい状態ではないと思うよ」
ダイソーが入っているスーパーで、
ちょっとした買い物も済ませて部屋に戻り、
ハンダ付けをして、再度配線。
アンプのスイッチを入れると、
「ボッ」という小さなポップノイズが、
左右のスピーカーから聴こえた。
おぉっ! これって直ったんじゃね?
CDの姿勢ボタンを押し、
アンプの音量を徐々に上げていくと、
左右からしっかりと音楽が流れた。
「わ。スゴっ。ホントに直した」
娘の表情がパッと晴れた!
中学の技術の授業以来のはんだ付け、
なんとか成功。
やたらうれしい気持ちはおくびにも出さず、
ベランダに出てタバコを吸った。