「この人ね、いつもこのペースだから」
KZKがニヤニヤしながら言う。
そんなに早く飲み干してないと思うけど、
彼女はKZKの横で驚き、少し呆れたように笑った。
「お酒、強いんですね」
「それがね、ぜんぜん強くなの。
緊張してペースが早くなってるだけ」
そう言うと困ったように曖昧に笑った。
でもね、緊張してるっていうのはウソじゃない。
だって、KZKの彼女と初対面。
「よく言いますよ。
人前で緊張したこと無いとか言うじゃないですか」
「それは仕事とかで役割がある時ね。
プライベートでは常にウブ。シャイなの。
君のように腹黒ぢゃないからさ」
これがKZKとボクのやり取りだと気づいたのか、
彼女がちゃんと笑った。
突っ込むボク。
苦笑いしながら時折応戦するKZK。
それを見てハラハラしながら笑うカノジョ。
うん。悪くない。