Spiral-World

めくるめく世界での個人的な日記

届かぬ想い

5つある事業所の中の1つの管理職が、

今年度限りで退職することに。

勤続30年以上。

本業に対する情熱もスキルもピカイチ。

ボクと年齢も近く、これまでずっと頼りにしていた。

ただ、管理職としては残念ながら力不足は否めず。

組織内におけるトラブルの解決に問題があり、

昨年半ばに暫定管理職となったがその後も状況に改善が見られず。

来年度から期間限定での異動を伝えたところ、

かなりのリアクションがあり。

その異動の根拠説明として事業所の全職員に対する説明を、

3回求められた。

「解りました。うかがってご説明します。

 ただ、一つだけ申し上げますが、

 この事業所は経営側が信頼をしてお任せした管理職からは、

 経営側の想いが伝わらない組織であると考えてよろしいですね」

その問に対する彼女の返答はなかった。

問題が起きるたびに彼女は言った。

「責任は私が取ります」

そのたびにボクは言った。

「責任を取ると言って、

 ホントに責任を取った人にボクはお会いしたことがないし、

 ボク自身も取れる責任なんてないと思っています」

全職員を前にして3回目の根拠説明をした。

その後に設けた質問と意見交換の場で手を挙げたのは2人。

それに対するボクの答えには、

もう誰も質問も意見も出さなかった。

彼女が自ら作り上げ、

拠り所としていた「組織」はそうして終わった。

とても残念で寂しかった。