地元で開催されたセミナーの講師と飲んだ。
前職はメーカー販社で主に教育部門を担当。
その頃に出会いの機会を頂き、長らくお世話になった。
北海道に移住し、畑違いの仕事を始めたたばかりのボクに、
とても良くして下さった。
「あの頃は、すぐ辞めちゃうかもって、ハラハラしてたよ」
「ま、実際にボクもそう思ってましたし」
「なんで踏みとどまれたんだろうね」
「さぁ。今となってはよく分かりません」
「ばか。そこは『あなたのおかげです』って言えよ」
こんなふうに笑い会える日が来るとは、
その頃のボクには思えなかった。
「で、最近は? もう骨を埋める覚悟決めたか?」
「いや。まだ迷ってます」
「お前、ほんと変わんないなぁ」
軽く頭を叩かれ、互いに笑う。
つもる話はずっと続いた。