3年ほど前のこと。
札幌を歩いていてハンカチを拾った。
札幌は195万人が暮らす大都市。
ハンカチの落とし物など別に珍しくはないだろう。
でも、それが、半年間に3回で、
どれもほぼ同じエリアで拾い、
しかも3枚とも男性用と思われるデザインで、
2枚はKENZOだったとすると、
そこそこレアケースだろう。
3枚とも肌触りの良い素材で、
シックで上品なデザインだった。
つまり、ユニクロや無印などへ行った際に、
男性が自分用についでで買うたぐいのモノではなくて。
デパートやそこそこのショップで買われた、
もしくは、誰かからの贈り物や返礼品などの雰囲気だった。
「靴を見ればその男の経済力が分かる」
よくそう言われるが、
ボクはハンカチにも同様の印象を持っていて。
で、ボクが拾ったモノからは、
けっこうな「力」を持った方の匂いがした。
あのエリアには車道と歩道を分かつ柵が無いので、
乗せておくこともできず。
かと言って、
往来が激しい歩道の真ん中に置き去りにするのも痛ましく。
3枚とも、たたみ直して縁石の上に置いた。
すすきのから大通りへと向かう途中の、
狸小路を挟んだ100m前後。
あそこには高価なハンカチを落とすきっかけとなる、
何かがあるのか?(笑)
不思議な体験だった。