Spiral-World

めくるめく世界での個人的な日記

ジャイアント・キリング

試合開始直後ーーー。

香川がダイレクトでクリアっぽく前線へ蹴り上げた球に大迫が鋭く反応。

競り合うDFを振り切ってシュートするも相手GKがセーブ。

しかし、詰めていた香川がそのこぼれ球をシュート。

それがコロンビア選手の右手に当たりPK。

それを香川が冷静に決め先制。

しかもハンドをした選手はレッドカードで退場。

けしてキレイな流れからの得点ではなかったが、

かと言ってラッキーでも偶然でもない。

前がかりになり戻っていないコロンビアの守備陣を見てのパスだし、

そのボールに追いついた時に大迫がDFを振り切れたもの、

香川と同じ狙いを持って走り込んでいたからこそ。

普段なら1度ボールを収めビルドアップするのがパターンだが、

あえて勝負に打って出た勇気が生んだ得点だった。

しかし、コロンビアを率いる知将ペケルマンも黙ってはいない。

攻撃にアクセントを付けていた11フアンクアドラードに代えて、

守備的MFのバリオスを投入。

それまで日本が優位だった中盤でのボール奪取に成功。

数的有利を消された日本は徐々に攻め込まれるシーンが増え、

長谷部が危険なエリアでファール(?)を取られ、

キンテーロのFKで失点した。

同点のまま前半を「終えられた」日本は落ち着きを取り戻し、

後半に入ってすぐの時間帯にリズムを変えた。

あえてロングボールを相手DFの裏に放り込むことで、

不利になっていた中盤でのボールの奪い合いを消し、

なおかつコロンビアを自陣に押し込んで攻撃の形を作った。

就任からわずか2ヶ月の西野監督が講じた策が徐々に効き、

日本は攻守のバランスが改善された。

その流れを変えようとコロンビアはハメス・ロドリゲスを投入。

10分後、日本は香川に代えて本田を投入。

それを受けてか、コロンビアはすぐにバッカを投入。

と、直後に、本田のCKを大迫がヘッドで決めて逆転!

何度かヒヤリとする場面はあったが、

それでもチームが一丸となって防ぎ、攻めた。

試合終了のホイッスルが鳴った瞬間、

4年間立ち込めていた重い空気が霧散した。

「W杯で受けた悔しさはW杯でしか晴らせない」

そう言ったのは誰だったか。

自信も期待も打ち砕かれたあの日から4年。

ともかく、日本は勝った。

おめでとう。

次も、勝とう!