何かのきっかけで思い出すと、しばらく耳から離れなくなる。
キリンジの「Drifter」はまさにそんな曲の一つだ。
しかも、この曲を単体で思い出すことはあまりなく、「誰か」や「何か」に付随して頭の中で蘇り、それと同時に徐々に脳内で増幅し、やがて支配されるから不思議だ。
「抽象的な言い回しが多い」
抽象を「文学」や「哲学」に置き換えても良いが、なんにしてもキリンジの歌詞表現にボクは、独特の「クセ」のようなものを感じる。そのクセモノ感こそが彼らの魅力なのだが、この曲の歌詞は珍しくストレートだなとの印象が強い。
そうした解釈はともかく。キリンジの曲って、相当難しいんだろうな。ミスチルの櫻井さんがこの曲をカヴァーしたのを聴いても、秦基博クンが歌う「エイリアンズ」を聴いていても、同じことを思う。
言うまでもなく二人とも素晴らしく歌がうまいし、カヴァーの出来だってとても良い。つーか、ある意味においては、違った魅力を引き出しているとさえ思う。
でも、だ。
オリジナルと比べると、どこか「のっぺり」として聴こえてしまうのは、なぜだろう。
「先にオリジナルを聴いているから」
「それこそがオリジナルの意味」
そう言ってしまえばそれまでなんだけど、さ(笑)
なんか不思議だよな。そう思いながら、「Drifter」に脳を支配される今日この頃なのです。
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