Spiral-World

めくるめく世界での個人的な日記

ゆえん

週刊女性PRIMEの写真に映った人は、

何度も見たことがありながら、

その人とは別人のように思えた。

白髪に白いヒゲを蓄え、神妙な面持ち。

少し虚ろに見える表情は、選ぶ側の意図によるものか?

ただ、かつて日本中(ボクも)を沸かせた大スターも、

70歳となりずいぶん変わったものだと、

ニュースの本題をさておき、思ったのも事実。

客入りが悪いとライブ当日に中止を決めた。

そのニュースはかなり大きく取り上げられ、

さまざまな意見が飛び交った。

その中で最も印象に残ったのがAERA dotの記事だ。

https://dot.asahi.com/wa/2018110800007.html?page=1

何しろ、ソロ・デビュー以来、

毎年必ず新作アルバム(09年からは数曲入りシングル)を出している。

持ち歌は膨大な数だ。

さらに、毎年必ず全国ツアーに出て、

全国で10万人規模の動員力を維持している。

ロック主体の公演を月に10回前後。

70歳の男が驚異的なスケジュールをこなし、

ステージを走り回っているのだ。

08年に東京ドームと京セラドーム大阪で実施した還暦記念公演では

6時間かけて80曲を歌い上げた。

デビュー50周年となった昨年は、

60を超す公演で毎回50曲を歌った。

引用元:AERA dot

沢田研二さんが音楽やご自身の表現において、

ただならぬこだわりをお持ちなのは知っていた。 

阿久悠さんや加瀬和彦さんや大野克夫さんなど、

時代を代表するヒットメーカーとの名曲を多く持ちながら、

売れる以前の佐野元春大沢誉志幸らの楽曲を、

積極的に取り入れたのには、当時かなり驚いた。

ただ、今もなお、ここまでとは思っていなかった。

「音楽を愛するというのは『非常識』の肯定なんです。

常識の世界にしか生きられない僕らは、

自分たちにはできない非常識なパフォーマンスを

ミュージシャンに求めている。

彼らを常識の枠にはめ込んではいけないんです。

ジュリーの件で、

ミュージシャンへのリスペクトが低い発言が

目立ったのが残念です」

引用元:AERA dot 音楽誌「BURRN!」広瀬和生編集長。

スター故に。

もしくは、故にスター、なのか?

公演当日キャンセルの是非はともかく、

こだわりやそこから派生する怒りや喜びは、

表現者として欠かせないモノなのだろう。

「太った」だの「老けた」だのと言われているし、

実際に動き話すジュリーを見てボクも驚いた。

ただ、この騒動をどこかで「らしい」と思ってしまう。

ただ過去の栄光にすがり付き威張り散らすだけなら、

定員8割入りの公演をキャンセルなどせず、

テキトーにこなした後、

スタッフと主催者をさんざん罵倒するはず。

会場を埋め尽くす観客の期待に応えられるだけのモノを観せる。

だから、満席に!

その相互要求の高さこそがジュリーのスゴさであり、

ジュリーが大スターである所以なのだと思う。