この曲を聴くといろんなことを思い出す。
大沢誉志幸を知るきっかけをくれたのはHDOだった。
「聴いてみ。カッコ良いから」
そう言って渡してくれたカセットテープには、
都会的で、でも、オシャレなだけじゃなく、
ロックやソウルやファンクなど、
さまざまなエッセンスがミックスされた曲が入っていた。
ほどなく、CMで「その気XXX」が流れ始め、
秋にはこの曲がカップヌードルのCMソングとなり、
一気に知名度が高まった。
小説のようなタイトル通り大人びた歌詞が、
誉志幸のハスキーで切なげな声によって増幅され、
強烈なインパクトを生み出している。
Wikipediaによると、
オリコン最高順位は週間6位で累計セールスは28.2万枚とあるが、
そうした数値以上に評価されていたように思うし、
事実、かなり多くのアーティストたちにカヴァーされている。
その中で好きなのがBLESSとハナレグミ。
誉志幸の声ってかなり「物語」を感じさせるので、
うまく歌えば良いってワケじゃないのがやっかいで。
BLESSはあえて淡々と無機質な雰囲気を醸し、
ハナレグミはけだるさと泥臭さを出している。
その両極なアプローチがなかなかおもしろい。
10代後半の多感な頃に聴いたので、
なおさらインパクトが大きくなったのは事実だが、
それを抜きにしても、この曲にはある種の普遍性を感じる。