HDOと朝ごはんを食べた。
昨夜、浴びるほど飲んで実家へ。
深夜、HDOから話しを聞いたオフクロは、
気を利かせて朝早く出かけており、
スマホにメッセージが残されていた。
「ダメなあんたをいつも支えてくれた人だから。
好きな時に遊びに来てと伝えてね」
HDOとの付き合いは高校から。
波長が合わず留年したクラスで出会った。
1学年下と同級になりさらに孤立していたボクが、
かろうじて卒業できたのはHDOがいつも支えてくれたからだ。
専門学校卒業後からは2年間ルームシェアをした。
当時、目標や目的を見失い、さらには彼女とも別れ、
日雇いのバイトに明け暮れていたボクを下北の寿司屋へ誘い、
「ちゃんと働け」と諭してくれたのもHDOだった。
今でもボクは多くの人に支えられて生きている。
そうした人たちに心から感謝しつつ、思うのだ。
ボクが今こうして生きていられるのは、
子どもの頃にHDOやKYSやHDTKやATSと出逢えたからだ、と。
そんなことを思い出しながら、HDOとハムチーズトーストを食べる。
高校の頃、HDOの部屋で飲み過ぎた翌日、
よくトーストを食べさせてもらった。
その後、学校へ行くこともあったし、
サボって出かけることもあった。
多少の差はあれどボクらはお金も力も自由も無く。
それを忘れるためにあてもなくさまよい、
何かしらの不満を見つけては大げさに騒いだ。
お互いあの頃からずいぶんと遠くへ来た。
それでも2人でトーストを食べながらコーヒーを飲んでいると、
当時よく口にしていたセリフを思い出すのだ。
「ダイジョーブ。なんとかなるから」