「ボクが担当させていただきます」
MRIやCTの写真を眺めながらあいさつをしてくれたのは、
KANの名曲のタイトルがぴったりのイケメン。
マジか?
このイケメンにアタマに穴開けられて、
溜まった血を洗い流されるのか?
「手術になっても1時間程度なんですけど。
そうは言っても脳に関わる手術なので万全を期します」
20代後半になったばかりの脳神経外科医師。
しかもイケメンで偉ぶったところが1つもない。
そして、オヤヂのつまらない自虐ネタにもキチンと付き合う。
モテんだろうな、コイツ。
「キッチリ終わらせておきました」
手術後に爽やかに笑う顔が眼に浮かぶ。
もちろんうまくいってもらわなきゃ困る。
こっちはどんだけガンバっても凡人止まりの脳みそなので、
失敗されたらそれこそ悲劇だ。
でも、この若き脳神経外科医師の慌てふためく顔が見てみたい。
もちろんボクではない誰か・・・。
そうだなぁ誰が良いかなぁ。
そんなことを考えていたら、
手術の重要事項説明が終わっていた。