「うんうん」
診察室で医師はCTの写真を眺めながら、
納得するように数回うなずいた。
で、ボクに向き合って笑った。
「おめでとうございます。完治ですよ」
「元通り?」
「えぇ。キレイなもんですよ」
「まだ少し立ちくらみが残っているんですけど」
「それも徐々に消えますよ」
「定期検診とかは?」
「ま、年に1度、安心のために、くらいかな」
半信半疑なボクの背中を押すように看護師が言う。
「おめでとうございます。よかったですね」
そうして、ボクの半年に及ぶ硬膜下血腫との闘いが、
あっけなく幕を下ろした。