「今夜はこのくらいで」
馴染みの寿司屋の大将が握りを出した後に、
新しいジョッキにビールを注いでくれた。
「もう酔われてますよね?」
「うん。酔ってる」
「無事に治って良かったですね」
「酒は弱くなったけど」
「これまでたくさん飲んだから、
これからはゆっくり少しずつ、ですね」
早めに店を出て人混みを通り抜けホテルへ向かう。
転ばぬようにと思うが、
今年の冬は例年になく雪が少なく歩きやすい。
立ち寄ったコンビニを出て信号を待っている時、
ノンアルコールビールを買った自分に気づいて苦笑い。
ま、そんなもんだろ。