「ホントそっくりね」
オフクロは目を丸くしている。
「でしょ? 初めて見た時はオレもかなり驚いたよ」
モーニングをよく食べに行くファミレスで、
最近たまに見かける女性が叔母にそっくりなのだ。
「顔だけじゃなくて雰囲気も似てるわよね」
顔が似ていれば雰囲気が似るのも当然なのかもしれないが、
その女性は何気ない身のこなしとか表情までもが、
叔母にそっくりで。
「いつから気がついてたの?」
「この半年くらいかな」
「それならもっと早く教えてくれれば良かったのに」
「いや、だって、教えたところで何もないじゃん」
それもそうね、と母が笑う。
叔母はすでに亡くなっており、
このことを伝えて笑い合うこともできない。
ほどなく、その女性が席を立ち店を出て行く。
それをさりげなく見送りながら、母がつぶやく。
「自分に似た人が3人はいるって言うけど、
あの人は間違いなくその1人ね」
まさにその通りだと思うが、
その人を見かける偶然もまたスゴいなと思った。