「フォードvsフェラーリ」を観た。
フォードとフェラーリ。
クルマに素人のボクが印象だけで言うなら、対局。
だが、共に世界最高峰のメーカー。
そのどちらもがマンネリや経営危機に陥った時代の物語。
クルマを芸術品の域にまで高めようとしたバカと、
世界中で最も多くの人にクルマを届けようとしたバカ。
名誉と賛辞を受けるには事欠かないが、資金難に陥ったバカ。
経営は順調ながらも、新たな価値観を作り出せないバカ。
その両社が互いに欠けた部分を補完すべく合併に動くが・・・。
世界最高にして最速。
そのプライドを金では売れないバカ。
世界での最高販売台数が正義。
そう信じ、なんでも金で買えると思っているバカ。
どちらも大バカなので、当然相容れなく。
バカ同士が互いの意地を掛け、
世界で最も過酷なバカげたレースでの勝利を目指す。
その熾烈な闘いに巻き込まれた2人のレースバカが、
さまざまな矛盾や葛藤や軋轢を乗り越えて、
新しいレースカーの開発に情熱を注ぐ。
にわかには信じがたいバカが多く登場するこの作品は、
実話を基に作られている。
で、スピード感溢れるレースシーンとは対極的に、
登場人物たちの心情をしっかりと描いている。
結果、上映時間は153分。
この映画を作った人たちもまた、大バカ(笑)
その愛おしくさえあるバカさ加減は、
クルマやレースに興味がない人でも十分に楽しませてくれる。
ぜひ。