映画鑑賞の後にユーノス・ロードスターで散歩。
いいだけ飲んだオーナーを助手席に、
ノンアルコールのボクがオープンカーを駆る。
自粛続きで鬱積しているのに、
過剰に冗長なハリウッド映画を、
初夏の陽が差し込まぬ涼しい部屋で楽しんでしまい。
観終えて外に出ると夕暮れはすぐそこ。
でも、朝から気持ち良く晴れていたのでかなり暑く、
それはいろんなフラストレーションを燃やすにふさわしい頃合い。
少し登って、少し下って。
縦横のGをほどよく感じてから現れるストレートで、
クルマが景色に溶け込む。
対向車線を走るユーノス・ロードスターと手を振り合ってすぐ、
中継地点のコーヒー焙煎所に到着。
お目当ての豆を炒ってもらうまでの間、
エチオピアの華やかで爽やかなコーヒーを飲む。
「また一緒にラジオ番組をやりましょうよ」
ボクが言うとTORさんは笑う。
これからどこを走るか。
考えるふりをしながら、お互いにその道筋を知っている。
そうやって、ボクらの13年目の5月が終わる。