予想通り、今朝は雪かきからのスタート。
それも一息ついた頃、電話が鳴った。
TORさんからだ。
新年のあいさつをとのんきな口調で話すボクに、
緊張した感じの声で言った。
「DNさんの会社、経営権を売却したらしいぞ」
「えっ? えぇ? ホントですか?」
「誰にも言わず、去年の仕事納めのタイミングで」
「で、でも、超優良企業じゃないですか」
「だからこそだろ、きっと」
100名を超える従業員を抱え、経営状態も良好。
地元を代表する企業の一つであり、
ボクも仕事はもちろん、
所属している地元の団体でもずっとお世話になって来た。
ただ、先代から会社を引き継いだ2代目は、
まったく畑違いの業界からの転職で苦労されていたし、
ご長男が継がないと表明されていたことも知っている。
だとしても、きっと、どなたかが。
そんなふうに気軽に考えていた。
「今度の新年会、ビミョーな空気になりそうだな」
TORさんの声は、ずっと張り詰めたままだった。