Spiral-World

めくるめく世界での個人的な日記

名もなき物書きの顛末

映画「ゴーストライター」を観た。

 

ロマン・ポランスキー監督が手掛けた政治スリラーで、

主演はユアン・マクレガー

 

なんとなくポランスキーっぽくないジャンルとの印象と、

ユアン・マクレガー観たさで録画していた。

 

過剰なアクションとかは皆無で、

落ち着いた雰囲気でありながら緊張感が高まっていくのは、

あぁ、やっぱ、ポランスキーっぽいかもと感心。

 

ただ、主人公がスキャンダルの核心に迫るにつれて、

少しづつ「?」が増え、

最終的には「え”え”ぇっ!? これで終わる?」と。

 

同じジャンルとまでは言わずとも、

大統領の陰謀」の凄さが際立った。

 

ただ、超イケオジながら中身が空っぽな役を演じたら、

いまだに世界屈指のピアース・ブロスナンは、

今作でも薄っぺらな元英国首相役で。

ある意味、それがこの作品で最も痛快で、

気持ち良かった(笑)

 

本作ではその元英国首相がスキャンダルから逃れ、

アメリカへと渡るくだりがある。

 

それは、未成年者へのに性的行為で有罪判決を受け、

アメリカから英国へ逃亡したポランスキーの姿と重なる。

 

本作はロバート・ハリスの同名の小説を原作としており、

ハリス自身とポランスキーが脚色している。

 

映画界に名を残す巨匠は、

どんな思いであのシーンを撮ったのか。

作品の中身より、

そっちのほうが気になってしまった。