Spiral-World

めくるめく世界での個人的な日記

物足りなくも、なお

もう少しスリリングだと思っていた。

でも、その不足感は「あえて」だったのかも。

ペンタゴン・ペーパーズ」のラストシーンを観て、

そう思った。

1971年にニクソン政権下で起きた政府の重要機密の漏洩。

それをスクープしたニューヨーク・タイムズは、

政府から記事の差し止めで起訴されるがーーー。

言論と報道の自由を守る為に立ち上がった新聞社。

泥沼化するベトナムでの闘いと国内で高まる反対運動を、

なんとか沈静化したい政府。

そのせめぎあいが描かれている。

なにやら社会派サスペンスのニオイが強まるが、

それを期待するとボクのように不足感を拭えないハズ。

内容的には、

新聞社の社主とは言え生粋のセレブである女性社長と、

野心家の編集主幹とスタッフの葛藤がメイン。

その物足りなさを見事に消し去るのがラストシーン。

と言うのも、この物語には続きがあり、

それは1976年にすでに映画として公開されている。

大統領の陰謀

それこそ、社会派サスペンスの金字塔。

1976年度のアカデミー賞で、

作品賞・監督賞を含む8部門でノミネートされ、

助演男優賞、脚色賞ほか全4部門に輝いた名作。

ペンタゴン・ペーパーズ」で高まったニクソン政権への不満が、

アメリカ史上最大の政治スキャンダル、

ウォーターゲート事件」へとつながる瞬間がラストシーンに描かれている。

そんな情報を得ずに観たのでググると案の定、山のようにヒット(笑)

おまけに『ザ・シークレットマン』なる作品では、

ウォーターゲート事件の捜査担当だったFBI副長官が、

その事実を新聞記者にリークした経緯が描かれていると知った。

観たいな。

1日かけて3本とも。