「誕生日おめでとう」
KYSにメッセージを贈る。
ヤツはケータイをほとんどチェックしない。
だから、すぐに返事が無いのはわかっている。
奥さんを亡くして2年。
「楽しくやってるぜ」
たまに連絡を取るたびに強がるが、
その強がりにKYSのさみしさが透ける。
思いっきり泣いてさみしがればいいのに。
それができればラクになるのに。
そう思いつつも、ホントは知ってる。
どれだけ悲しもうと、どれだけ泣こうと、
大切な人を失った気持ちが癒えることはない。
なのにあれこれと考えてしまうのは、
KYSに何もしてやれない自分にイラ立っているからだ。
そう。
何もできないけど、また逢いに行くよ。