3-0の判定で同級2位の伊藤雅雪が、
世界初挑戦で新王者となった。
日本人が米国で王座を獲得するのは1981年の三原正以来、
37年ぶり5人目の快挙。
24勝1敗1分(12KO)という好成績ながら、
前評判では23勝無敗(15KO)のディアスが圧倒的有利。
それだけに、現地メディアなども驚きを持って報じた。
伊藤はパンチ数が686発でヒット数は28%の194発。
対して、ディアスはパンチ数601発でヒット数は31%の190発。
パワーパンチでもディアスは349発中143発と41%のヒット率。
454発中168発で37%だった伊藤を「率」では上回ったが、判定は3-0。
116-111、117-110、118-109と、伊藤の圧勝だった。
「伊藤のパンチは重く、そして破壊的だった。
ディアスの顔の左目周りの変色ぶりがその証明だ」
現地メディアも両者のパンチの「質」が、
勝負の分かれ目となったと評した。
会場はプエルトリカンばかりの街。
完全アウェーという舞台設定で行われたタイトル戦は、
大手とは言えないジムに属するベテランボクサーにとって、
数少ないビッグ・チャンス。
重圧が掛かる大一番ながら、
試合開始から終始、堂々としたクリーンな打撃戦を展開。
その振る舞いと4Rに奪ったダウンを含め、
はっきりと打ち勝っているからこそ敵地で大差の勝利を得られた。
「もう怖くてしょうがなかったです。
試合前も、泣いてしまったりして、
ホテルでも本当に怖かったんですけど、でも良かったです。
自分自身、戦ってきて、チームが本当によくしてくれたんで。
まだ信じられないです・・・・・・」
夢を叶えたばかりの新チャンピオンは、
控え室でそこまで語って思わず泣き崩れたと言う。
なんにしても、トップの写真の右クロス。
めちゃくちゃカッコ良い。
おめでとうございます!