Spiral-World

めくるめく世界での個人的な日記

なんだろう、これ

 不思議な作品だ。

未来のミライ」を観ての印象。

 他の作品同様に、レビューなどは読まずに観たが、賛否が極端に分かれるだろうと思った。

 主人公は四歳の男の子、「くんちゃん」。両親はもちろん、祖父母たちの愛情を一身に受けてきたが、妹の誕生でその位置が脅かされる。その寂しさから駄々をこねると、なぜか不思議な世界に迷い込むようになり・・・。

 それが物語の核なのは間違いないのだが、観ているうちに誰に感情移入をすれば良いか解らなくなった。ボクはそれが評価に直結しないが、人によっては作品全体にぼやけた印象を持つかもしれないと思った。

 また、大事件が起きるわけでもなく、派手な戦いが繰り広げられるわけでもなく。くんちゃんと両親が直面する環境と心理の変化を「一大事」として捉え、これでもかってくらい丁寧に描いている。くんちゃんが駄々をこねるまでのプロセスやその後のスネ方。また、それにイラついたり困惑する両親や祖父母たちの描写のリアルさは秀逸。まるで、自分の姿を見るような想いになり、笑い涙した。

 ただ、それも観る人によっては単に「地味」と感じるかもしれないとも思った。

 ま、ホントにいろんな意味で不思議な作品だった。