Spiral-World

めくるめく世界での個人的な日記

その男、キケンにつき

刑事さんと飲んだ。

前回同様、TMICRさん、TKDさん、OTKさんも一緒。

お互い変な気を使わずに済むので、

今回も個室のある居酒屋を選んだ。

それに加えて2度目ということもあり、

最初から打ち解けた雰囲気。

ボクらは最近多発している空き巣や車上荒らしや、

外国人観光客のレンターカー事故などについて質問し、

刑事さんからは大麻脱法ドラッグなどの噂について訊かれた。

「俺らは新鮮で楽しいから気軽に接しちゃうけど、

 仕事的な問題ってホントに無いの?」

OTKさんが笑いを交えた話題に絡めそれとなく尋ねた。

「節度さえ保っていれば、まったく問題ないですね」

「いわゆる癒着関係でなきゃOKなの?」

「もう少し厳しいですかね。

 法に絡むことはもちろんですけど、

 捜査に関する情報漏洩にはすごく敏感になっているので」

なるほど。

確かにそうだよね。

納得しつつTKDさんがぶちかました。

「と言うかさ、

 これって新手の潜入捜査じゃないよね?」

「え”え”ぇっ!?」

驚く刑事さんに畳み掛ける。

「カミさんが言うんだよ。

 なんかさ、出来すぎで映画みたいよね。

 あんた影で悪いことしてないでしょうね?って」

「あ! それ、ウチのも言ってた。

 あえて正体を明かして油断させて、

 何か聞き出そうとしてるんじゃないかって」

TMICRさんも喜んで便乗したところで

OTKさんが釘を差した。

「黙れ、ジジイども。失礼じゃないか。

 そもそも潜入捜査を受けるほどの大物じゃないしね、ボクら。

 つーか、お前らんとこのババアどんだけ妄想好きよ?」

一同の大爆笑が収まったところで、刑事さんが言った。

「別業種の方にはいつもどっかで距離を感じるんです。

 ボクらの仕事柄仕方ないって思っていたんですが、

 こんなふうに別け隔てなく付き合って下さって、

 ホントにうれしいです」

ちょっとしんみりとした空気をOTKさんが破った。

「それが相手を油断させる手口なんでしょ?」