今夜の赤ワインはとびきり渋くて酸っぱく、
のど越しも最悪だった。
それは解禁直後のボジョレー・ヌーヴォーではなく、
今夜の行われた親善試合からボクが受けた印象であり、
日本代表と多くのサポーターにとっても同じだったはず。
ベネズエラ代表の愛称は「ビノ・ティント(Vino Tinto)」。
「赤ワイン」と例えられるのは、
ユニフォームの色だけに由来していない。
W杯への出場経験が無く、
コパ・アメリカの優勝経験もゼロ。
過去には対戦国から「南米最弱のおいしい相手」と、
侮蔑を込めて使われた時期があったと言う。
だが、自国開催のコパ・アメリカ2007を機に強化に乗り出し、
2011年の同大会では過去最高の4位入賞。
最新のFIFAランキングは29位となり、過去最高ランクを記録。
両国が対戦するのは今回で5度目。
すべてが日本開催のキリンチャレンジカップであり、
過去4戦のすべて引き分けに終わっている。
つまり、日本にとってこれまでのベネズエラは、
けして「おいしいワイン」ではなかった。
その相手に前半、日本代表は良いように攻め込まれた。
FWのサロモン・ロンドンは8分に最初のゴールを決めると、
前半の38分でハットトリックを達成。
日本の守備陣を好きなように切り裂いた。
結果、1-4の大敗。
「攻撃ではビルドアップの部分、
シュートまでつなげるパスの連係連動や、
クオリティーが少し足りず相手に付け込まれた。
ディフェンスではボール保持者に対して少し間合いが遠く、
うまくプレッシャーをかけられずに失点を重ねたのは、
反省しないといけないし、今日の敗因。
結果の責任については準備の段階での選手、
チームに対する私の働きかけ。
反省しないといけない」
試合後の森保監督のインタビューを聞きながら、
いま放映されているドラマを思い出した。
様々な事故原因を究明する科学者を演ずる、
松雪泰子が毎回クチにする決めゼリフだ。
「この失敗をあなたの宝にしなさい」
日本代表の親善試合の多くは、ホントに親善で。
強化にはほど遠く無意味なものが目立つ。
その中にあっての今回の大敗。
「W杯杯予選4連勝と浮かれていたのか?
アジアなどしょせんはこの程度。
あぁ、日本酒ってスゲェおいしいな」
そう教えてもらえた気がする。