KYSの自宅へおじゃますることになった。
ヤツが出向先の千葉から戻ってからなので、
21時頃になるとのこと。
疲れているだろうけど、と詫びると、
「かしこまるな。気持ち悪い」との返信(笑)
遠慮なくおじゃますることに。
リビングには遺影と一緒にまだお骨が。
奥さんが闘病中だった頃にはキレイに片付いていたが、
今は男ヤモメにふさわしい散らかりぶり。
KYSが失ったモノを垣間見る。
「メシ、食って行けるのか?」
そう訊かれなければ、帰ろうと思っていた。
「うん。腹ペコだ」
「じゃぁ行こう。オレもなんだ」
悟られぬように急ぐKYSの気持ちを想う。
「うまいもん食わせろよ」
KYSが上着を取りにリビングを離れたスキに、
もう一度遺影に手を合わせ祈る。
そして、急いでるふりをしてリビングを出て、
玄関で靴を履いた。
おじゃまさま。
また来るね。