2年前、あるライターが書いた原稿を思い出す。
大幅減俸による主力選手たちの流出を取り上げて、
マリノスの凋落を断言するような内容だった。
マリノスや日本代表を支えた選手たちへの冷遇に対する、
強い不信感がうかがえた。
ボクはマリノスファンではないが、俊輔や中澤が好きだった。
それでも当時の2人に全盛期の輝きがないことは解ってしまえたし、
世代交代と新しいチーム作りを進めるクラブの姿勢は、
ごく当たり前だと思った。
そのライターもそれは認めつつ、クラブの方針にダメ出しをした。
彼が反例としてあげたのが、
『これら強豪クラブは毎シーズン新陳代謝として、
4,5人を入れ替えているだけ。
ベースを維持しているからこそ戦いに幅があって、大崩れしない。
またコンサドーレ札幌、清水エスパルスも昨季は現有戦力を中心に戦い、
J2からJ1へ自動昇格している』
ボクはこの部分に強い違和感を覚えた。
アントラーズはともかく、
ガンバやレッズの世代交代の遅れはかなりヤバいと思っていたし、
4、5人の入れ替えを『だけ』と言えるのか?(笑)
コンサやエスパルスのJ1昇格は、
マリノスのケースと一括にできるのか?
さらに言えば、その原稿にはマリノスに残り、
新たなチーム作りに関わる選手やスタッフたちへの視点が無く、
ベテランや主力の放出を無条件に批判しているように思えた。
そんなモヤモヤを、
今シーズンのマリノスは見事に吹き飛ばしてくれた。
昨シーズンこそ12位と低迷するも、
15年ぶり4回目の優勝を果たした。
勢力図が目まぐるしく変わるJリーグにあって、
チーム作りは素人の予想を遥かに超えて困難を極めるのだろうし、
それには確固たる『正解』は無いのだろう。
ただ、マリノスが2年前に下した決断は、ひとまず実を結んだ。
それは揺るがしようのない事実。
おめでとう。