「分かっちゃいますか?」
女性事務局員のINBはうれしそうな声で言った。
弁護士に相談する案件があり、その担当をお願いすると快諾。
その後に、「どうして私に?」と質問された。
「いぢわるとかじゃなくて、誰でもダークな部分って持ってるじゃん。
そろそろそういう部分を見たいし、
今回のケースは遠慮なくそれを発揮できるケースだから」
その答えに彼女は笑った。
「で、私にもそういう部分があるだろうから、見せろと?」
「うん。いるでしょ? ダークなINBが」
「います、います! やっぱ分かっちゃいますよね。
どうやって進めるか、楽しみだなぁ」
そう言って笑う彼女を見て、
頼もしく思うと同時にちょっと怖くなった。