タイヤがパンクした。
というか、何箇所も裂けていた。
コンビニへの往復の10分弱。
乗り始めてしばらくすると異音が聞こえ始め、
帰る頃にはハンドルが取られるようになった。
「きっと少しずつ空気が抜けてて。
その圧の変化がダメージとなり、今日って感じだね」
大先輩であり、馴染みのタイヤ屋さんの社長が言う。
「隣町まで取りに行かせてるから」
同商品はすでに完売。
しかも地元の店舗には在庫が無いという。
「申し訳ないけど、今シーズンはこれで勘弁して」
詫びる社長に恐縮する。
「とんでもないです。助かりました」
明日から札幌へ行く。
もしその途中の峠道だったら。
そう考えたら背筋が凍った。