「いやぁ、会えて良かった」
偶然道端でバッタリ。
と、いつも通りの笑顔でボクの肩に軽く触れた。
「こちらこそ、ホッとしました」
ボランティア活動を通じて大変お世話になり、
今でもたまにご連絡させていただく。
もともとは北海道の行政に関わられ、
退職後は周囲に請われて、とある団体のトップに就任。
受諾する際の条件が無給だったことは、
いまだに語り草となっている。
先日、その方からお電話を頂き、
「11日にそっちへ行くので」とお誘いを頂いた。
だが、昨日はかなりバタバタしており、
夜は友だちとの会合が入っていた。
「じゃあ、今度札幌に来る時には必ず連絡してよ」
そんな、そんな、もったいない!
恐縮のあまり、秘書の方に宿を訊き、
フロントに地元の特産物を託しておいた。
「かえって気遣いさせちゃって申し訳ない」
そう言って頭を下げられた。
すごい人って、いる。
で、その方は、ボクがそう思うお一人だ。
「今度、札幌ででもゆっくりと」
別れ際、そう言って、またボクの肩に触れた。