「ええ? だってまだこんな時間だぞ!」
「いや、だから言いましたよね?
緊急事態宣言をナメないで下さい、って」
席でタバコが吸えなきゃダメ。
そこそこ肴がうまくなきゃダメ。
静かな店じゃなきゃダメ。
女の子がいる店はダメ。
「無理ですって。
この時期のこの時間、そんな店もうやってないですから」
そういうKZKを無視して、
町田の繁華街を2周くらいした。
でも、やつが言う通り、どこもやってなかった。
「今日は諦めて帰りましょう」
なだめるKZKの肩をどついて八つ当たり。
「くっそー! 帰れ帰れ、根性無しめ!
オレはホテルで一人飲みするから」
「明日も午前中の飛行機ですよね?
また乗り遅れてもボクのせいにしないで下さいね」
「・・・」
クソつまんねぇ!