遅い時間に起きて、遅い朝食を食べて、
のんびりと映画を観て。
気がつくと外はすでに夜。
ゆっくりと過ごせたのは良いが、
なにか物足りなく。
素早くシャワーを浴びて、髪を乾かし。
行きつけのバーへと。
「今日も会合? それともイベント?」
「いや。今日はヒマつぶし」
「お! 珍しい」
最初の1杯を何にするか訊かれ、
迷った挙げ句、
トマーティンの12年をロックで頼んだ。
「お! これまた久しぶり」
「たまには飲まないと減らないでしょ?」
この店でこの酒を頼むのは、ボクしかいない。
そんな話をされたのは2年ほど前か。
「おいしいのにね、これ」
グラスに口を付けてボクが言う。
「ホントに。もったいないですよね」
カウンターで1人、
久しぶりにマイボトルを楽しんだ。