床屋へ行った。
そもそも髪は短めなので、
多少伸びてもあまり気にならないのだが。
ここ数日の雨模様で、くせっ毛がひどいことになり。
前髪は、まるでお笑い芸人だった頃の、
たむけん、みたいなグネり方なんだよね(泣)
そうなると切らずには居られなくなり、
昨日の夕方お店へ行くと、なぜか閉まっていた。
「あぁ、すみませんでした。
パッとしない天気だったし空いていたんで、
早めに閉めて嫁とでかけたんですよ」
若旦那のNROくんは、
他のお客さんの髪を切りながらゲラゲラ笑った。
「ごめんね。せっかく来てくれたのに」
混んでいる時は、NROくんの手が空くまでに、
母さんが髭を剃ってくれる。
ボクの顔全体を蒸しタオルで覆い、
念入りに温めながら小声で侘びた。
「GWも店を開けていたからさ。
たまには夫婦でデートも良いよねって」
「うんうん。ホントだ」
田舎の床屋さんならではの会話。
これがまた、楽しいんだ。
髪を切って店を出ると、
雨雲のすき間から陽が差し込んでいた。