なかなか寝付けず。
うとうとしたかと思えば、
ヘンな夢を見て目が醒めて。
その繰り返しの中で、
窓の外は徐々に白んで来る。
笑顔が印象的な娘だった。
はしゃいだり大きな声を出さずとも、
笑うだけでその場が明るくなる。
そんな笑顔だ。
年令や性別や国籍を問わず、
多くの人と関わることを楽しみ、
自ら町のイベントを企画するほどだった。
「ちょっと危なっかしくてヒヤヒヤするんだよ」
大学卒業後に札幌で就職するも、
数年前から地元に戻って仕事をし始め、
ほどなく人気者となっていた娘を、
先輩は目を細めつつ心配していた。
その場面を思い出し、涙が出た。