「ねぇねぇ、聴いた?」
同じようなメッセージのやり取りが続いて焦れたか、
KZKが呆れ気味に言う。
「自分で聴いたら良いじゃないですか」
「だって・・・」
「村上RADIO」
今日がオンエアーだと知らせたボク自身が聴けずにいる。
「新作はどんな書評も評価も見ずに読むって、
胸を張ってましたよね?」
「それは小説の話。今回はラジオだろ?」
「なんすか? その意味不明なビビり」
途切れた返信にKZKの思いが透ける。
文章表現における神。
その人の肉声、ましてや雑談めいたは話を聴くのが怖いのだ。
かと言って、見ず知らずの誰かの評価を聞くのも怖い。
あ”あ”あ”ぁっ。
聴きたいけど、聴けない!
どこで、どんな風に聴けば良いのかも解らない!
ど、どうしよう。