「午前中は晴れの予報だったんだけどなぁ」
ホテルを出発する時、
すでに小雨が降り始めた空を見上げてKYSが言う。
「ホントに鶴ヶ城へは寄らなくて良いのか?」
「お城ってさ人殺しのための機能満載だろ?
なんか怖くなるんだよね」
「廃墟マニアがナニ言ってんだ?」
まだカッパを着るほどではないので、
そのまま走り出す。
その道すがらに鶴ヶ城の前を通ったので、
手を合わせ、今日の無事を祈る。
コーヒー休憩を挟んで1時間ほどで、
本日の第1目的地である喜多方に到着。
ウワサには聞いていたが、
いくつもの人気ラーメン店の前にはすでに行列。
「今日はまだマシな方だよ」
喜多方へは良く訪れているKYSが、
お気に入りだというラーメン屋さんへ。
シンプルな醤油に太めの手打ち平麺。
あっさりとした味わいは朝ラーにちょうどよく、
あっという間に完食。
せっかく身体と心が温まったのに、
その後、いくぶん雨脚が強くなったので、
今回のツーリングでは初のかっぱを着ての走行。
ボクに気を使って、
今日もKYSは峠道を選んでくれたが、
濃い霧と雲に覆われてしまい、
せっかくの景色が見えずがっかり。
それどころか、
山間部を抜けたあたりで雨が本降りに。
道の駅でトイレとコーヒー休憩を兼ねている時、
KYSの表情が曇った。
「これ、オイル漏れかな?」
バイクのスタンドあたりを見ると、
濡れた路面に虹色のシミができている。
念のため、バイクを移動して、
しばらく放置するとやはり同様の現象。
昨年のGWツーリング直後に、
KYSのバイクはシリンダー割れからのオイル漏れが発覚。
結局、その車体は廃車にし、
まったく同じモデルを購入。
満を持して今年のツーリングに望んだ。
そんな実体験があるのだから、
当然KYSは焦った様子・・・。
この話の続きは次回に。