Spiral-World

めくるめく世界での個人的な日記

悔しさの価値

コンサドーレは勝てなかった。

前半20分で2-0とリードしながら、

サンフレッチェの猛攻を凌ぎ切れず、

と言うか、なんとか2-2のドローに持ち込んだ感じ。

「2-0だから危機的なんですよ」

前半30分過ぎ。

2点を追うサンフレッチェの攻撃が鋭さを増し、

コンサが守勢にまわり始めた頃。

「2点差なのでもう少し余裕を持って」

実況アナウンサーのそうした言葉に、

解説の吉原宏太が語気を強めた。

「前半の早い時間帯に2-0で勝ってるチームって、

 ぜんぜん有利じゃない」

その言葉に大きくうなずいた。

TVで観戦しながら、

コンサの選手の迷いとサンフレッチェの選手の開き直りが、

手に取るように感じられた。

そして、後半終了間際の時間の使い方も含め、

格の違いを見せつけられながらホイッスルを聴いた。

自力でのACL出場権獲得は夢に終わった。

それも、すごく悔しい形で。

でも、この負けは、価値がある。

コンサは98年にJ1に初昇格。

しかし、翌年J2に降格。

2001年にもJ1再昇格を果たしたが、翌年に降格。

その後、J2でも浮き沈みの激しいシーズンを繰り返し、

2008年と2012年はJ1へ昇格するも、

どちらも翌年にはJ2へ降格。

いわゆる「エレベータークラブ」となっていた。

それが昨年、J1に昇格し11位で初の連続残留。

「なんとかJ1定着」をと願うサポーターに、

ミシャの監督就任とのサプライズが届けられ、

この快進撃が始まった。

J1の18クラブ中、コンサは資金力で18位。

営業収益では17位。

選手の年俸総額では14位。

平均入場者数では10位。

こうしたデータと順位を秤にかけて満足するのは安易だし、

ましてやこの健闘でJ1定着が約束されるはずもない。

ただ、今季のコンサの躍進と、

あと一歩及ばなかった自力でのACL出場の夢が、

選手やスタッフにもたらすであろう変化には、

期待せずにいられない。

ひとまずは、4位でのシーズン終了を祝いつつ、

アントラーズ天皇杯で優勝した場合のACL出場を願う。