Spiral-World

めくるめく世界での個人的な日記

不思議な夜

先週のこと。

刑事さんと飲んだ。

TMIRさん、TKDさん、OTKさんの先輩3人を交えて。

「隠れるワケじゃないけど、わざわざ目立つ必要も無いしね」

一番年配のTMIRさんのお達しで、個室のある居酒屋を選んだ。

職業は違えど長い付き合いのボクら4人に囲まれ、

たたでさえ話しにくいだろうからと。

でも、そんな心配は無用だった。

最初こそみんな様子をうかがっていたが、

あっという間にうち解け楽しい雰囲気に。

「」

「一緒に飲む機会が少ないのもあるけど、

   俺が知る限りこんなに気さくな方は初めてだな」

TMIRさんが不思議がると刑事さんが答えた。

「仕事柄どうしてもカタブツと思われがちですが、

   実際はそんなことなくて、くだけた人が多いですよ。

   ボクはもともと民間企業にいたので、なおさらかもしれませんけど」

「え? そうなんだ⁉︎」

北海道出身だが、東京の大手ゼネコンに就職。

10年以上務めたが、

お子さんが産まれたのをきっかけに北海道へ帰ることを決意。

試験をパスして公務員になられたという。

「すげぇ。本当にいるんだ、そういう人」

「東京での子育をリアルに想定して、ゾッとしたんですよね」

話しがかなり盛り上がってきた頃、刑事さんの携帯が鳴った。

着信通知を見て表情が変わった。仕事らしい。

「申し訳ありません」

刑事さんが電話を切るとすぐ店を出た。

「せっかく誘っていただいたのに」

そう言って何度も詫びた。

「気にしないで。また」

タクシーに手を振り、ボクらは次の店へ向かった。