川崎市で19人が包丁で刺され2人が死亡した事件は、
容疑者の男の自殺によって、
驚きと恐怖と謎以外、すべてが失われてしまった。
その行き場のない怒りとやり切れなさからか、
web上では早くも犯人の生い立ちや家族構成などの情報が晒され、
あらゆる罵詈雑言が並べられている。
「次の凶行を生まないためにも、1人で死ぬべきとの非難は控えて」
生活困窮者支援などを行うNPO法人代表理事の藤田孝典さんが、
事件後にそう発信。
すると、瞬く間に多くの賛否が寄せられたという。
この事件と直接リンクするわけではないが、
以前、ある記事を読んでショックを受けたことを思い出した。
https://www.excite.co.jp/news/article/OhtaBooks_014247/
内閣府は3月29日、自宅に半年以上閉じこもっている「ひきこもり」の40~64歳が、
全国で推計61万3千人との調査結果を発表。
7割以上が男性で、ひきこもりの期間は7年以上が半数を占めた。
中高年層を対象にしたひきこもりの調査は初めてで、
2016年9月に内閣府が発表した15~39歳のひきこもり推計54万1千人を上回り、
ひきこもりの高齢化、長期化が鮮明になった。
だが、この調査結果は「かなり控え目だ」と上記の記事で語られている。
自分自身の価値を見出せず、
社会はおろか家族との関わりすらうまく持てない。
そうした人たちの多くは今回のような凶行とは無縁だろう。
そうだとしても、
それだけ多くの人が社会や家族から離れ孤独に苛まれているとするなら、
それだけで深刻な社会問題だ。
働き方改革を「なに、それ?」と鼻で笑う自分がいる。
国家主導で新たな「あるべき」価値基準を作り出し、
それにそぐわぬ者をふるいにかけてはじき出すという姿勢に、
いっさいの変化が無いと感じるからだ。
でも、全国で孤独に苛まれている人たちの数をみると、
早急に何かしらの策を講じなければと思う。
で、それは、たぶん、
多様な価値観を受け容れる心を育てるための教育しか無いと思う。