「どうしたもんですかねぇ」
TMMTが電話の向こうでニヤついているのが判る。
「はいはい。オレが連絡するよ」
「スンマセンねぇ」
ぜんぜん悪びれていないのが、判る。
ま、それがヤツの良さであることも。
TMMTとは道内同業者の勉強会で知り合った。
当時20代後半だったヤツは、
その後3回「社長に就任する」と言いながら、
話が流れたという珍しい男。
ボクはそのたびにお祝いをしてきたので、
先日、電話をもらった時には信じなかった。
「ホントにホントなんですよ。
もう登記したし、案内も印刷したから」
7月1日付けで社長に就任した、らしい。
なので、今週末の勉強会の前日に、
「社長就任した、らしい」お祝いをしようと誘った。
と、そのウワサを別ルートで聞きつけたISMさんからも、
お祝いをと誘われたいう。
「ボクはてっきりお2人一緒に、と思ってたんですが・・・」
ISMさんとボクがその件について連絡を取っていないと知り、
焦ったヤツから電話が入った、てな流れ。
「お祝いして頂くボクがどうこう言うもの、
ちょっと変かなぁって思いまして」
確かに。
今回、ヤツは主賓。
段取りをさせるべきではない。
ただ、メンド臭ぇニオイがする。
「2人でこっそりやるつもりだったんだ?」
ISMさんがそうスネるのは確定だからなぁ。
「スンマセンねぇ、ほんと」
詳細は省くが、
超ワンマンな先代社長である親父さんから、
なんとかバトンを受けたTMMT。
交代話しが3回も続けば挫けそうなものだが、
それを笑い話にできるヤツの強さは、スゴいと思う。
「分かりましたよ。
喜んで段取りさせていただきます」
可愛い後輩のお祝い事だもの。