Spiral-World

めくるめく世界での個人的な日記

あの日の海へ#2

「緊張しましたが、なんとかなるもんですね」

北海道では考えられないほどの時間を掛けて、

KZKとボクの初の超ショートツーリングが終わった。

10代の頃のボクにとってバイクは自由の証だった。

バイクがあればいつでも好きな所へ行ける。

知らない道を走り、知らない街へ行き、

知らないことに出会える。

そう思えるだけで自由になれた気がした。

その想いは、今も心の奥にある。

ただ、年齢を重ねるたびに、

バイクで走ること自体が楽しみへと変わっていった。

「もう少し回した方がスムーズに走れると思う」

コンビニの駐車場で缶コーヒーを飲みながら、

バイクやその乗り方について話しながら、

新車の扱いに慎重なKZKに言う。

「でも、慣らしって大切なんでしょ?」

「そりゃまぁ大事なのだろうけど。

 このバイクのおいしいところは使わなきゃ。

 そう作られているんだから」

そんな話をしていると、

これまで音楽について話していた時のように楽しい。

つーか、スクーターに乗ったのは35年ぶり!

怖かったけど楽しかった(笑)