「緊張しましたが、なんとかなるもんですね」
北海道では考えられないほどの時間を掛けて、
KZKとボクの初の超ショートツーリングが終わった。
10代の頃のボクにとってバイクは自由の証だった。
バイクがあればいつでも好きな所へ行ける。
知らない道を走り、知らない街へ行き、
知らないことに出会える。
そう思えるだけで自由になれた気がした。
その想いは、今も心の奥にある。
ただ、年齢を重ねるたびに、
バイクで走ること自体が楽しみへと変わっていった。
「もう少し回した方がスムーズに走れると思う」
コンビニの駐車場で缶コーヒーを飲みながら、
バイクやその乗り方について話しながら、
新車の扱いに慎重なKZKに言う。
「でも、慣らしって大切なんでしょ?」
「そりゃまぁ大事なのだろうけど。
このバイクのおいしいところは使わなきゃ。
そう作られているんだから」
そんな話をしていると、
これまで音楽について話していた時のように楽しい。
つーか、スクーターに乗ったのは35年ぶり!
怖かったけど楽しかった(笑)